サンタクロースの衣装に身を包み、預かったプレゼントを配り歩く「高崎市榛名商工会青年部サンタクロースプロジェクト」の準備が大詰めを迎えた。
同プロジェクトは高崎市榛名商工会青年部(高崎市下室田町)が1998年から毎年続けているもので、現在までに延べ約80人のサンタクロースがイブの夜、旧榛名町中に出没した。
今年は45件、92個のプレゼントが託された。毎年サンタクロース役を務めてきた、三共ドライクリーニング(同市上里見町)の草修一さんは「毎年12月が近づくと、青年部の会議の議題はサンタクロース。私を見て泣く子、着いた時にはすでに寝入ってしまった子などいろいろな子どもがいたが、プレゼントを用意して待っていてくれたり、記念撮影をせがまれたりと何度もうれしい思いをさせてもらった」と話す。
だが草さんは今年のイブ、榛名湖で開催されている「榛名湖イルミネーションフェスタ2008」の警備の当番にあたってしまい、サンタクロースの衣装を着ることができない。「10年連続で着続けて、かなり板に付いてきたのに…」(草さん)と残念がる。
イブといえばデートやパーティーで盛り上がりたいのが人情だが、サンタクロース稼業にはまってしまったひとり、同商工会青年部担当職員の宮澤康文さんは「恋人や家族を犠牲にしても、何だかんだ言いながらも毎年、有志が集まる。青年部が存在する限り続けていきたい」と力を込める。
しかし、依頼主からは年々サンタクロースへの要望がエスカレートしてきており、「プレゼントを渡す前に『ちゃんとお片づけしてますか』と言ってほしい」、「ビデオ撮影したいので家に着いたら教えて」、ドライバーはちゃんとトナカイの扮装(ふんそう)をしているが「車を見えない所に止めて」など、「ちょっと大変」(宮澤さん)だ。
サンタクロースの守備範囲は旧榛名町内でほかのエリアからの依頼は受けられないが、「旧榛名町は一般住宅のクリスマス用イルミネーション設置率が高いので、ぜひ見に来て」(草さん)とも。