おもちゃの病院、高崎市内5カ所で診療中-内容により入院も

おもちゃドクターにこわれた電車の容態を説明する男の子

おもちゃドクターにこわれた電車の容態を説明する男の子

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 高崎市内の児童館などで壊れたおもちゃを診察する「おもちゃの病院」に、たくさんの「患者」が運び込まれている。おもちゃの診察や治療を行うのは「おもちゃドクター」をはじめとする「修理好き」の市民ボランティアだ。

おもちゃの病院

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 毎月第1土曜日に開院する「井野児童館」(高崎市井野町)の「おもちゃの病院」でボランティアを続けている織田隆一さんは「日本おもちゃ病院協会」が認定した「おもちゃドクター」。

 織田さんは県内の工業高校退職後、たまたまインターネットで「おもちゃの病院」のボランティア募集情報を見て応募した。職業柄、修理はお手のものだが「修理するつもりが本当にダメにしてしまう」こともあると笑う。「そういう時は本当のことを言って素直に謝る」(織田さん)。

 8月2日、開院時間の10時前から壊れて動かなくなったおもちゃを手にした子どもたちが井野児童館のおもちゃの病院にやって来た。

 胸に抱えた太鼓を叩かなくなってしまった黄色の熊を持ち込んだ女の子は、元通り太鼓を叩くようになった熊を手にした瞬間、パッと笑顔に。しかしその後、「ピーッと笛も吹いたはず」ともう一度熊を差し出した。

 熊を再度診察した結果、ネジの交換が必要との診断が下ったが、問題のネジが規格外のネジだったためにその場で修理ができず、入院することになった。

 おもちゃの病院では、壊れたおもちゃを持ち込んだ人から修理に必要な材料費の実費を負担してもらう。同じドクターの中澤さんは「病院に通ったりホームセンターに材料を買いに行ったりするのにガソリンの高騰で出費が増える一方だが、修理したおもちゃを見て子どもや付き添ってきた親御さんが喜ぶ顔を見るとこちらもうれしくなる。それより何より、おもちゃの修理が楽しくて楽しくて…本当は自分自身が一番喜んでいるのかも」と笑う。

 持ち込まれる電動式のおもちゃの中で案外多いのが「買ってから時間が経った『新品』だが放電して空になってしまった電池が入れてあるために動かないおもちゃ」(織田さん)。織田さんはこうした症状を見極めるために、フィルムケースと牛乳パックを使った手づくりのテスターを使って電池をチェックする。

 開院当日も、買い置きしてあった電池を入れたために動かなくなった壊れていないおもちゃもあった。「テスターは誰でも簡単に作れるので、一家に1台あると便利」(同)とも。

 おもちゃの病院の診察スケジュールは、毎月第2土曜日=佐野公民館(上佐野町)、群馬福祉会館(棟高町)、第3土曜日=榛名文化会館エコール(上里見町)、第4土曜日=総合福祉センター(末広町)。診療時間はいずれも10時~12時。

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