9月25日に開催された「第6回まえばし赤城山ヒルクライム」、第1回大会から挑戦を続ける戸丸大地さん(群馬県みどり市)も雨の上がった峠道に勢い良く漕ぎ出した。
赤城山ヒルクライムは前橋市街地から赤城山頂までの全長20.8キロ、平均勾配6.4%、最大勾配9.4%、標高差1,313メートルの峠道で行うロードレース。今大会から全日本実業団自転車競技連盟によるJプロツアーの公式戦となり、トッププロ254人が参加した。全参加者は3,415人。
戸丸さんは中学卒業を前にこれと言ってやることもなく、目標も決まらず、何となく登った赤城山で目にしたヒルクライムのポスターに「あっ、これだ」とすぐさま参加を決めた。
当時の自転車はブリヂストン社製シングルスター(3段変速)。伊勢崎市の自宅から群馬県立勢多農林高等学校(前橋市)まで片道20キロの自転車通学を3年間続けた。高1の秋、第1回大会。前かごを外すなどして大会規定に合わせたほか、ブレーキやクランクなどを強化した。
目標は1時間を切った選手に与えられる「キングオブマウンテン賞」。戸丸さんの自己ベストは第5回大会の1時間17分。今大会は1時間20分だった。
「赤城山のコースは直線が長い。前の人の背中が見えるため、気持ちが折れなければ追いかけられる。気持ちが強い人が勝てるレース。今年は雨の日が多くて練習不足な上、先頭で引っ張ってしまい後半バテた」と振り返る。
今大会から着ぐるみが禁止されるなど規定が厳しくなったが、車検が通れば車種は問われない。戸丸さんは現在、2台目のシングルスターを駆る。「通学用いわゆるママチャリでキングオブマウンテン賞を取るのが目標なので、これからもこの自転車で挑戦する」と意気込む。
優勝は男子プロがPujol Oscar(プジョル オスカル)さん(スペイン)56分29秒、女子プロが唐見実世子さん(茨城)1時間7分33秒、男子が花田研太さん(大阪府)59分39秒、女子が近藤民子さん(埼玉)1時間8分39秒だった。