群馬大学大学院医学系研究科脳神経発達統御学講座の柴崎貢志准教授が、脳内に神経活動を調節する特殊なアストロサイト集団を発見した。この発見は高い評価を得ており、5月23日付けの米国科学誌「The Journal of Biological Chemistry」の表紙に「研究データ」が掲載された。
脳の容積の大半は神経細胞ではなく、別の種類の細胞に占められている。脳の中で最も多いにはアストロサイトで、アストロサイトは神経細胞に対し栄養補給・老廃物の除去などをサポートすることがわかってきたが、具体的な働きは謎だった。
柴崎准教授は今回、特殊なアストロサイト集団を発見しただけでなく、こうした細胞がどのような分子機序で神経活動を調節しているのかを解明した。
これは、うつ病の原因解明や脳梗塞の治療につながる成果で、大きな社会貢献が期待されることから、「The Journal of Biological Chemistry」の動きとなった。