7月1日の道路交通法施行細則の一部改正に伴い、3人乗り自転車購入時の助成を始めた前橋市のホームセンターに同3日、3人乗り自転車の現物が展示された。
3人乗り自転車は安全基準の決定が遅れたために製造が遅れ、全国初の助成金制度を設けた前橋でも、店頭に現物が飾られることはなかった。
同2日、高崎前橋経済新聞編集部が前橋市街地にある自転車販売店約10店、ホームセンター2店、スーパーマーケット1店に対し電話で確認したところ、自転車販売店のほとんどは3人乗り自転車を取り扱う予定がなく、「希望があればカタログ販売には応じる」と答えた店も1店にとどまった。
これに対し、ホームセンター、スーパーマーケットなどの量販店は「展示用モデルが届き次第、店頭でPRする」と前向きな姿勢をみせる。
ホームセンター「カインズホーム青柳店」(前橋市青柳町、TEL 027-235-1888)では3日、他の量販店より2週間ほど早く「現物」の展示を始めた。同店副店長の高橋さんは「自動車よりエコだし、2人乗りとしても使えるし、一般のママチャリより高いが、それだけの機能が装備された安心して乗ってもらえる自転車。これから販売状況をみながら種類を増やしたい」と話す。
3人乗り自転車は幼児を2人まで乗せることができる自転車で、幼児を1人だけ乗せる仕様にもできる。「子ども1人を乗せる場合でも安全性は高い。カタログなどに適応身長が表示されているが、前後のシートで別々に設定されている適応体重を守ることが大事」(自転車整備士の仁井田さん)とも。
一方、前橋市こども課の担当者は「現在のところ助成金について問い合わせで最も多かったのはメディアで80件以上あった。次が量販店で、市民からの問い合わせは20件程度。申請はまだない。申請は購入後に行うため、品物がそろうまでしばらく時間がかかると思う」、また「できれば自転車販売店で取り扱ってもらい、環境対策と景気刺激の両方に効果が出ればいいのだが」と戸惑いも。
同市では組合などを通じて自転車販売店に助成制度に関する資料を配布したが、通常の自転車より高いため、展示用として仕入れるにもコストがかさみ二の足を踏んでいるのが実態のようだ。
2人の子どもを同時に送り迎えする期間はそう長くはないため、高価な自転車を購入するかどうかは各家庭の判断となるが、エコポイントによる家電販売好調の波のように3人乗り自転車も波に乗るか、今後の動向に注目が集まる。