平安時代以前の古碑、三碑が一堂に-高崎で「上野三碑展」

金井沢碑

金井沢碑

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 国指定の重要史跡「上野三碑(こうずけさんぴ)」(原寸大レプリカ)を展示する「多胡碑は語る-上野三碑からみた古代の高崎」が7月3日から、高崎シティギャラリー(高崎市高松町、TEL 027-328-5050)で開催される。

関連画像/多胡碑を見ておく

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 上野三碑は、平安時代以前、古代上野国(現在の高崎市南部)に立てられた「多胡碑」「山上碑」「金井沢碑」の総称で、この時代の碑は全国的にみても20例ほどしかないため、このうちの3つが集中する高崎市は研究者の注目を集める。

 歴史フリークでなくても群馬県人なら、郷土かるた「上毛かるた」で「昔を語る多胡の古碑」とうたわれる「多胡碑」の名前くらいは聞いたことがあるだろう。

 多胡碑は牛伏砂岩と呼ばれる花崗岩質砂岩で作られており、高さ=約150センチ、幅=約95センチ、奥行き=約90センチと三碑の中で最も大きく、「上野国片岡郡・緑野郡・甘良郡の三郡の中から300戸を分けて新たに郡を作り、羊に支配を任せる。郡の名は多胡郡とし…」という、和銅4年に発令された朝廷からの命令が刻まれている。

 支配を任されたとみられる「羊」は、もちろん動物のヒツジではなく「羊」という人物を郡司に起用したという説が主流だが、方位を示しているのではないか、別の文字の略字ではないかなどの学説もある。

 多胡郡の位置は現在の高崎市吉井町から山名町一帯と考えられており、ヤマト政権の直轄地と重なる。この地域では今でも「羊太夫(ひつじたゆう)伝説」が伝えられており、多胡碑は「おひつじさま」とも呼ばれている。

 同展では上野三碑のほか、吉井地域で出土した紡錘車、勾玉、馬具などを展示するほか、歴史背景の解説を行う。

 開催時間は9時~18時(最終日は13時まで)。観覧無料。7月8日まで。

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