プロボクサーの新井恵一選手(高崎市新町「美ゆき食堂」内、TEL 0274-42-1337)が9月1日、後楽園ホールで行われた川崎タツキ戦で勝利(7R負傷判定)した。スコアは3対0、圧勝だった。
新井選手(2008年8月現在、Sウェルター級8位)は川崎タツキ選手(同4位)との2度目の対戦に向け、川崎選手より高い身長と腕の長さを生かした左ストレートに磨きをかけていた。身長差のある選手が打ちに出る場合、相手の懐に入らなければならない。「入って来た瞬間にカウンターで迎え打つ練習の成果が出た。思うようにできた納得のいく試合だった」(新井選手)と振り返る。
新井選手は2005年9月、日本ウェルター級のタイトルマッチで岩石パンチで知られる大曲輝斎選手を追いつめ、誰もがタイトルを手中に収めたかと思った瞬間、逆転KO負けした苦い経験がある。
今回の試合でも「いいパンチが当たってもあの逆転KOが脳裏に浮かび、焦らずに行こうと自分に言い聞かせながら戦った。大曲選手と対戦したころは倒して勝ちたいとの思いが強すぎた。判定でも勝ちは勝ち。どんなに勝てそうに見えても勝たなければ意味がない」(同)。
第2ラウンド、川崎選手が右、左と繰り出すフックをかわした新井選手が内側から打ち抜き、左ストレートを繰り出した後、双方の頭が当たり二人ともまぶたをカットした。そのため試合は前回同様の流血戦に。
新井選手はラウンドを重ねるごとに徐々にそして確実に川崎選手を追い詰める。今回は自他ともに認める冷静な試合運びだった。迎えた第7ラウンド、開始から26秒、川崎選手はあえなくドクターストップ。試合終了のゴングが鳴り響いた。
「川崎選手が再度対戦相手に選んでくれたことで一歩先に進めた。心から尊敬している。一生付き合っていきたいと思っている」(同)とも。
試合後、川崎選手と新井選手はお互いの携帯電話番号を交換した。