10月28日に開催された「第5回箕輪城まつり」に、甲冑(かっちゅう)で身を固めた21の「武者隊」計約350人が参加した。主催は箕輪城まつり実行委員会(問い合わせ先=箕郷支所地域振興課、TEL 027-371-5111)。
箕輪城まつりは地域振興を目的に2002年に始められた。回を追うごとに参加者、観客ともに増え、今年は約2,000人が戦国絵巻を楽しんだ。
箕輪城は1500年頃に建てられた平山城で、1598年に井伊直政が高崎に城を移すまでの約100年間使われた。1987年には国の重要文化財に指定され、現在も保存整備のための発掘調査が行われている。
まつりの第1部は箕郷支所から箕輪城趾までの武者行列、第2部は本丸跡での鎮魂祭で、鎮魂祭の最後には5基の模擬大砲がとどろく中、「箕輪城攻防戦(箕輪軍対武田軍)」が披露された。模擬といえども大砲の音はかなり大きく、発砲の度に観客からどよめきの声が上がった。
箕輪城は周囲を木立に囲まれており、本丸跡は完全に外界と遮断されている。その中を甲冑姿の人、長刀(なぎなた)を持つ女性、忍者姿の子どもや大人、打ち掛け姿の姫などが普通に歩いているのを目の当たりにすると、戦国時代にタイムスリップしたかのような錯覚を覚える。まつり終了後には幹線道路を歩いて帰る「武士」もいて、まつり開催を知らない人が見たらびっくりしたに違いない。
箕輪軍と武田軍に分かれた武者隊の20歳代~30歳代の若武者に混じって活躍する、40歳代~50歳代、60歳代以上の「武将」たちが目を引いた。衣装、甲冑は箕郷町で貸し出しているもの、参加者が自分で作ったものなどだが、中には「町で衣装を買う時に自前で一緒に注文してもらった。参加は今年で2回目」と話す70歳代の男性もいた。
こうしたまつりは見るのも楽しいが、戦国時代の衣装や甲冑に身を包み「武将」になりきるのはさぞかし楽しかろう。取材のカメラより多かったアマチュアカメラマンの要請に快くポーズを決める「武将」たちの姿に「ちょいワルオヤジ」たちのユーモアと心意気が垣間見えた。
来年も同時期に開催を予定しており、参加希望者を募るという。