鏑川に白鳥がまとまって飛来し始めたのは2003~2004年の冬。毎年、12月初旬から20日ごろにかけてやって来る。2010~2011年のシーズンには約50羽が越冬。今年は15~30羽を観察できる。
飛来地の地元有志が「鏑川白鳥を守る会」を発会したのは2007年。以来、河川敷の清掃、巡回、個体数の記録、最小限の給餌などを行ってきた。同会会長の箕輪愃(みのわゆたか)さんは「10余年の間にいろいろなことがあった。東日本大震災の時には川面が大きく波立ち、30羽ほどの白鳥が一斉に飛び立った。戻った5羽も翌日、飛び去った」と振り返る。
天災だけでなく、足に釣り糸が絡まり歩行困難になったり、かも猟の銃声に驚かされたり、白鳥が災難に見舞われることも。例えば釣り糸を外すために個体を捕獲した場合、他の白鳥が人間不信に陥るのだという。「自然にしておけは外れる」という安曇野の守る会や上野動物園のアドバイスに従い、見守り続けると数日で外れたという。
白鳥を見ると餌を与えたくなる。白鳥はこけや藻を食べる。魚は食べない。そのため餌は大麦、小麦、小米(米粉用の米)を少量与える。「パンは油脂や塩を含んでいるため、白鳥には向かないと思う」と箕輪さん、他の飛来地で見かけるパンやりが気になる様子。給餌自体、鳥インフルエンザの影響で一時、全国的に中止されたが、他の飛来地に合わせて再開したという。
観察場所は河川敷のためカーナビは不能。安楽寺(高崎市木部町)を目指し、そのまま南下する。高崎市内には木部町のほかにも安楽寺があるので注意。
3月10日~20日ごろまで。