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高崎に四川料理を伝えた老舗「四川」-「陳(ちん)麻婆豆腐」の秘密

写真からでも辛さが伝わるような「陳麻婆豆腐」

写真からでも辛さが伝わるような「陳麻婆豆腐」

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 37周年を迎えた高崎の老舗中国料理店「四川」(高崎市中豊岡町、TEL 027-327-4000)で看板メニュー「陳(ちん)麻婆豆腐」について聞いた。

殻付きのエビを使ったエビチリも

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 「四川」店主の戸塚貴久男さんは陳建民さんに師事した。同店の前身は父親の就一さんが営んでいた食堂で、修行を終えた貴久男さんが高崎に戻った1975(昭和50)年、中国料理専門店に業態変更した。

 貴久男さんは「店を改装し、中国(四川)料理を提供するようになったが、当時は中国料理といえば『ラーメンとチャーハンとシューマイ』という時代で、『エビチリ』『チンジャオロース』などと言っても何のことやらわからない人がほとんどだったため、わかりやすいメニューも必要だろうと父の時代からのカレーライスも提供していた」と振り返る。

 しかし、四川料理が高崎の人々に受け入れられるまでに時間はかからなかった。特に、陳建民直伝の「麻婆豆腐」は評判がよかったが、これは現在、当店の看板メニューとして知られる辛い麻婆豆腐「陳麻婆豆腐」ではなかった。

 「陳麻婆豆腐」は、1980年代に貴久男さんが四川省にある豆腐料理専門店「陳豆腐店」で学んだもの。「香りのいい四川省産のサンショと、同じく四川省特産のトウバンジャン『ピーシェン』を使って、辛みだけを立たせずコクのある味に仕上げる」という。陳は陳でも陳違い。ほとんどの人がこの「陳麻婆豆腐」を注文するが、辛いものが苦手な人のために陳建民直伝の「麻婆豆腐」の提供を続けている。

 また、同店を代表するメニューの一つに「フカヒレの姿煮」、姿煮を丸ごと使った「フカヒレラーメン」がある。「フカヒレは気仙沼産を使う。気仙沼の水産加工会社は東日本大震災とその後の火災で壊滅的な被害を受けた。フカヒレの在庫が終わった後の見通しは立っていない。そうでなくてもサメの保護を訴える団体の動きの影響で、外国人客の多い都内の店ではすでにメニューから外した店もあると聞く。当店でも提供できなくなる日が来るのではないか」とも。

 イートインメニューは98種類(800円~)。ランチは9種類(800円~1,300円)。営業時間は11時30分~14時、17時30分(土曜・日曜は17時)~21時30分(土曜・日曜は21時)。月曜定休(月曜が祝日の場合は翌日)。

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